ソルジャーロード製作記録

主に製作日記、たまにただの日記。

Put on! レビュー

ネタバレ注意

 

長編SRPG プレイ時間30時間超え

3つ目は「Put on!」レビュー。「ストライカープリンセス」を制作したあむかさんの作品である。

宇宙を舞台にしたSFもの。自身は「スパロボ」系列をしたことはないのだが、他の方のレビューだとそれに近いものがあるらしい。

大きな特徴は

「ドレス」と呼ばれる専用機と汎用機

強化システムと残弾

キャラクター

ストーリー

になる。

1.バトルアニメ

前作から大きく進化した点でもあり、同様に良くない点でもある……。

まずは人→ロボットと大きくなったこともあり、演出が非常に派手になったこと。そしてモーションが非常になめらかに動くところだ。これは正統進化といってよく、最初から最後まで迫力のあるものであり、専用機・汎用機共に良いものである。

良くない点は後述。

2.ストーリー

「Emu」をめぐる話と「リアース」関連がメインとなっており、「真実」を追求する博士が中心となって展開していく話はなかなか見応えがあってよかった。

……のだが、申し訳ないが、いくらなんでも長すぎる。48章+α、50章も超える作品は初めてなのだが、正直なところ中途でプレイにダレてしまった。プレイ時間も30時間を超えることになり、後半のマップ構成もあって、疲労感が大きかった。

中途「このマップ必要……?」と感じるステージがいくつかあり、特にディヒナとマウリンに関してはぽっと出キャラと急に戦わされても……というのが正直なところ(伏線がないわけではないが……)。マウリン自体は強くて(タウザーであそこまで戦えるならいっそついてきてほしいレベル)後半屈指の面白いマップだったので、なおさらもう少し伏線張っても良かったと思うのだが……(ディヒナ自体も重要、というとあまり……)。

3.後半戦

先述した通り長い道中を進むことになるのだが、後半戦は無人機・DCといったスキル持ちが出るのもあり難易度は格段に上がった。……というよりも厄介なスキル「必中」「緊急回避」を無効化出来るすべがほとんどないので、特に「緊急回避」が出ないことを祈るゲーになってしまったのがマイナス。

せめて「ハイプレッシャー」のような発動型スキル無効のスキルを覚えさせてくれればもう少し楽に戦えた場面が多かった。

そして後半になるとマニューバによる「大技」を多用しないと厳しい局面が多く、これらのアニメーションが長いので、この派手なアニメがかえってテンポが悪くなる要因になっていた。

「緊急回避」された日には流石にもう飛ばすのが当たり前になってしまった(DCは特に「緊急回避」が多くてイライラした)。これが後半戦での評価を下げた。

ストーリー自体は見ごたえがあるだけに爽快感や達成感の欠くマップ構成なのが残念。

特にバリアビットは面倒でここまで防御無視できるピアッシングを確保しておいてよかった……と思うほど面倒かつ大変なギミックだった。

4.敵キャラ

いいキャラともったいないキャラが多かったように感じ、また宇宙を舞台にしているのにネームドが少し少なく感じた。

特に敵のボス・ケオンに関してはこれといった腹心部下もおらず、小物感だけが大きいキャラになっていた(これは狙い通りなのかもしれないが、人命を握るキーパーソンをそこまで小物にしてもいいのか?と個人的に思った)。

部隊長クラスのネームドを数人出して個性を出せばステージの印象も残るのだが……。終始中心キャラのみで話が回るのがSRPGとしてちょっと物足りなく感じる。もうちょいモブ以上キーパーソン以下のキャラを出してもいいかな、と思った。

特に扱いが残念、というかもったいなく感じたのがカナカイ

カナカイが中盤くらいであっさり死んで「え、これで終わり……?」と拍子抜けした一方で死に場所を探しているようなドナットはしぶとく生きながらえたところも気になった。カナカイはもっと引っ張ってこちら側を刺激できるいい悪役になれたと思う(やり方や考え方からも)。純粋な戦闘キャラでないから戦力にはならない男と言われたらそれまでだが……。

最後で評価が上がったのがフェスティブ。レーラグの石川兄に通じるところが多く(主人公を付け狙う、機体を変えまくる、などなど……)、最終的に「Emu」に取り込まれて化け物にでもなりそうな雰囲気があったけど、忠義を最後まで尽くして、なかなか良いキャラだった。

ラメライはTOAのシングみたいに可哀そうなキャラだった(DC関連はちょっとTOAとダブって見えてしまうが……)。救いのあるルートがあればよかったかもしれないが、最期が最期だからあれはあれで良かったのかもしれない。

ドナットは最期まで嫌いでした。はっきり言って傭兵向いてないと思う。金だけで戦うキャラでもないし、死に場所を探してるくせにやられたら戦線離脱しまくって最後まで出るし……。あれだけしぶといならもう職業軍人の方が向いてる(規律も守るし、感情で動くカルグよりも治安部向きだろう)し、チグハグなキャラだったというのが正直な感想。これも出身やら出生やらがそういったところに就職するのを邪魔してるというとそうなのだが……。

6.味方

ストプリと同じで逆境でも諦めないところが強み、というところが強みであり、チャレンジャーな感じなのでプレイヤーにもストレスがかからないところはいいところ。もしこれがウジウジするタイプだとこのゲームは苦しいかもしれない……。

唯一、あんまり好きじゃなかったのは「家族」というワードがあまりにも大きすぎることとヘンメちゃんが可哀そうな気がしてくるところ。そりゃ「デート」といって「家族」扱いじゃフラストレーション溜まるだろうし、自分だったら正直イヤかな……。

ぶっちゃけヘンメちゃんは敵側に回ったほうが良かった(というか何度も闇落ちしそうだったし、実際した)気がする……。愛にも色々ある……。

7.専用機と汎用機

汎用機は「素体」「ブレーメ」「スタッシュ」「ガンフ」と換装可能であり、良いシステム……に見えるんだけど、ちょっと残念なのが自分のプレイでは実質「スタッシュ」か「ガンフ」の二択でしかなかったこと

素体はボーナスがないので使う理由がなく、ブレーメは特効の優位性がほとんど見いだせず、一回使ったきりで終わってしまった。大型をぶった切れるかな、と期待したが、機動力に勝る「スタッシュ」射程と範囲攻撃も出来る「ガンフ」の方が強かったのでこれも残念なところ。

専用機は専用技が主な運用になるので、店売りの武器がほとんど持てないのが残念……。といっても持てたとしても高射程武器になるから、なくてもいいといえばいいが……。

基本的に専用機の専用技を強化したほうが優位に立てる……というよりは残弾の心配がないというのが大きい。……そのため、自プレイでは予備カートリッジが在庫に貯まる事態になっていた。

そして、これはマップ上ではストックに一切アクセスできないという不満点にも繋がり、せっかく「フグ」が出てるステージならストックにアクセス出来るようにしてほしかった。

詳しくはキャラ評で。

8.武器・アイテム

個性のある武器が多く、中にはステート付与があったり、射程が長かったりして、さらには強化まで出来るシステムは良かった。

それ自体は楽しい要素なのだが、専用機の専用技は残弾なしなので人によっては専用機の専用技だけ強化するのでは……という感が否めない。とはいえ、全員育てるに越したことはないのでその点は杞憂かもしれない(少しでも強い武器があったほうが有利なので)。

先述した通り、予備カートリッジはほっといても溜まっていくし、残弾補充も拠点で出来るので、あまり出番が……だったが、よくよく考えたら拠点で予備カートリッジで残弾補充したほうが良いのかもしれない(自分はこまめに残弾補充して気づかなかった……)。

回復ユニットの回復ツールが「杖」扱いでコマンド表示されなかったのはマイナス点。アイテムからのアクセスでなく、「杖」コマンドで使えれば……と思った(このゲームだと「魔力」は「射撃」に該当する。「杖」ツールの仕様上、「魔力」に影響するからこのような仕様になっていると思われる。一応ランディア氏のスクリプトで「魔力に影響しない杖」を作ることは出来る)。

またセオマ・ハンジェナ両名のシールドに該当する専用アイテムが修復不可。意図的なのかはわからないが、高額でも良いので修理出来るようにしてほしかった……(耐久度0になるともちろんスキルは発動しないため、アイテム欄を圧迫するだけだった)。

9.総評

面白かった点と惜しかった点があって評価が難しいゲームではあったけど、総合的には傑作だったと思う。前作から正統進化しており、楽しませてくれたし、実際にもDLsiteで高評価を得ているゲームだと実感した。

百合ゲーとしては……。前作の方が好きかなぁ、と思うところはどうしても出ちゃうかな、といった印象。

やっぱり「家族」というワードが個人的にはよろしくなかったかな、と。

何度もヘンメちゃんの口から「博士の不潔!」というワードが出る場面があったけど、自分も同じ気持ちになるのはどうしても否めない。カップリングとしてもまんべんなく、という選択肢は今ひとつ受け入れがたい選択であったかなぁと(本人が納得しているのであれば幸せかもしれないが、色々こじれそうでもある……)。

ハーレム的展開よりかは「好感度」をキャラごとに設けて個別エンドの方が百合ゲーとしては良かったかなぁ、と思ったりするのだった……。

「百合」としての家族は微妙だったけど、セオマ博士の親父さんや母親は良かったと思ってるので「家族」自体が悪かったわけではないのであしからず(親父はホント……。何度も無茶しやがって……いい男!)。

キャラ評価

・専用機

セオマ博士 評価:C

主人公にしてキーパーソン。

純粋なパイロットでないせいなのか、終始今一つの技能といったキャラであり、これが終盤まで悩ませることになる……(基本的にセオマ博士が堕ちる=ゲームオーバーなので)。出し惜しみせずきっちり育てたほうがベター?だと思う。

特にイベントで敵の強力な機体とぶつけられるシーンが多いので、HPがごっそり減ったあとにターン終了→近くの敵に強襲されると場合によってはゲームオーバーになるので行動順には気をつけないとあっさり落ちてしまう。イベントがあってダメージを負ったら回復したほうがいい。

重要なイベントが有るマップでは強化パーツは優先して装備させたほうがいい。また期待するほど回避しないので反応よりもHPを優先したほうがいい……かも。

スキルは「必殺」「緊急回避」があると気持ち楽にイベントマップで戦えそうだ。「ファイトレスポンス」もあると保険にはなるが……。信頼できる数値ではないかも。

イベント習得の「Make Over」は移動後攻撃が出来ない武器なので「速射標準」を覚えさせると移動後にも使える。

アラカ 評価:B

格闘特化型のドレス。機動力が高く、レベルアップで2回行動できるようになる。

自プレイでは反応の割には被弾が多くて苦労が多いキャラだった……。

「緊急回避」→「超反応に化けるので「緊急回避」は覚えさせたほうが良い

追加パーツは格闘が上がるものを装備して威力をあげよう。

ハンジェナ 評価:A

複雑な過去を持つお姉さん。色々やんちゃしてた過去も持っていたりする。

「アトラクト」が非常に強力であり、ヘイトを担ってくれる重要なポジション。ハンジェナ=アトラクトと言っても良いほど。

最初はタウザーだが、中盤で専用機になる。モーションがかっこいい。

基本的にヘイト役で敵を引きつけるのが仕事なので反応を上げて回避できるようにするのがベター。「緊急回避」→「黄金軌道」に進化するのでおそらくそういった使い方が望まれている。

イベント上でも育てないと苦しいユニットなので育てておきたいが、必要以上に倒さないよう、「必殺」はつけないほうがいいかもしれない(他のキャラの経験値がなくなるので……)

ヘンメ 評価:B

ストーリー上色々とちょっとアブない娘。軍人。

最初はタウザーだが、中盤で専用機になる。

一部の技が「反応」になっているので反応を重視したいキャラ。固有コマンド「集中」も積極的に使っておきたい。「アトラクト」ほどではないが、頼りになる。

マップ兵器は範囲が微妙なので使えたら使うくらいでいいかも。「オービターシフト」はあまり頼るような場面がないので使わなくても良い。

イロイ 評価:B+

軍人でガンナータイプ。博士、名前を間違えて呼ぶのは地味に傷つくのでやめましょう……。

最初はタウザーだが、中盤で専用機になる。

技量が低い気がするが、「水破兵破」が結構強力で射程もあるので便利。マップ兵器版も範囲が広いので中盤~後半の群れた敵軍に撃つと爽快感ある。

ただ、移動力が低めなので「ブースター」系統が必須になる。先述したとおり、技量が低い傾向にあるのでサポートスコープやドーピングした方が良い。

高射程の技はどうしても移動後攻撃が出来ない制約がつくので「速射標準」は必ず覚えさせておこう

また「ヒットアンドアウェイ」で撃ったあとに後方に下がることも出来る。うまく立ち回りたいところだ。

エンケィス 評価:A

アウトナンバーを操るDC。カナカイと複雑な関係があり、ストーリーにも関わってくる。ちょっと一人で突っ走るところがあるのが面倒な人。

「アトラクト・回避」が強すぎる。おかげで固有スキルのアンカーは全く出番がない。とにかく「アトラクト・回避」で敵を引きつけて回避しつつダメージを負わせるのがお仕事。

忍者のような機体から見れば分かる通り、素の反応が高く、機動力もあるので便利な機体。反面、耐久度は脆いので後半の「必中」持ちには注意が必要になる。

カナリー 評価:S

前作から登場してる異邦人。ツバサとタンデムで専用機を乗りこなすガンマン。

射撃特化型なので格闘は必要なし。また、レベルで2回行動が出来るようになるので、パイロン同様に動き回って敵を撃破してくれる。

耐久面が気になるものの、反応が高めなので大抵は避けてくれる。ただし「必中」持ちには要注意。機動力も高く、終盤も頼りになる。

彼女も高射程武器があるので「速射標準」は習得させておいて損はない。

リーデ 評価:A

店員さんとタンデムで機乗するライター。

専用機だが、どちらかといえば戦闘も出来る機体といった具合で基本的には「珈琲一式」での行動回復がメイン。いるのといないのとではまた違ってくるだろう。射程も2あるのでこれも助かるポイント。

専用技も持ち合わせているのでいざというときは戦える。

ディヒナ 評価:C

サニーアライズのボスの付き人兼恋人?な人。死に場所を探していた系の人だが、博士に諭されて立ち直った。

弱くはないし、有効な技もあるのだが、マウリン単騎(タウザー)に苦戦してしまう機体……と言ってしまうとあまり強く感じないという残念な専用機体

機動力もあまり高くないので「ブースター」は必須になる。

一応両刀ステータスで射撃も出来るので、「サンダーバード」辺りを仕込んで「パラライズ」を狙うのもありだろう。

ディストルツィオーネは外すと悲惨な絵面になる。技量をカバーしておこう。

・汎用機

カルグ 評価:S

唯一の男キャラ。ガンナータイプなので「ガンフ」がベストになる。

射撃特性が高く、頼りになるキャラ。反面、反応は今一つなので装甲はHP優先で良い。

「速射標準」は必須であり、「追撃」もあると何かと便利。

「ガンフ」機そのものが性能が良く、「ミサイルマイト」「ミサイルギガント」といった範囲攻撃も可能なので必ず搭載しておこう。機動力補強のために「ブースター」も装備しておきたい。

専用マニューバもなかなか便利な射程なので使い勝手が良い。

「ヒットアンドアウェイ」も習得するのでうまく射撃してその後は前線から離脱するように心がけたい。

ライユ 評価:B

ヘビースモーカーなメカニックのお姉さん。

汎用機なのでサポート中心でいくなら「スタッシュ」、時々攻撃したいなら「ガンフ」になるだろう。「ミサイルギガント」は2つあるので汎用機チームのうち二人は「ガンフ」にしておきたい。

ライユには「〇〇アシスト」というツールが使用できるため、いざというときの強化ができる(イベント戦でセオマ博士を強化したり)ので重要なキャラでもある。

また、回復要員としても便利。戦闘よりもどちらかといえば回復を中心にしたいが、それなりに技量はあるので、ガンフに換装してマップ攻撃をしたり、射撃してもいいだろう。

メデリ 評価:B

ジャンク屋の娘。好奇心旺盛な一面もある子。

こちらはジャミングが得意なのか敵の性能を下げる装置を持つ。

なのでどちらかといえば支援+回復要員で戦闘はおまけな印象がある。

それでも回復要員はこのゲームでは貴重なので有効に活用すべし。

逆支援効果を活かすなら「ガンフ」よりは「スタッシュ」で機動力を上げて立ち回ったほうが良い……はず。

ヒィレン 評価:C

情報部のエージェントでイケナイお姉さん。罪な人。

「撹乱工作」で相手に逆支援効果をもたらす事ができる。

うまく扱えればそれなりに強いユニット……のはず。

ただ、専用機中心で戦っていると汎用機チームが置いていかれがちになり、ヒィレンもまた経験値取得が遅れて育ってない場合は十分にありうるので出来ればまんべんなく使っておきたい

専用マニューバは高射程で「速射標準」と組み合わせれば強力。使いこなすなら覚えさせておいたほうが良い。

機体は「スタッシュ」で運用したが、「ガンフ」適正もあると思う(というかマニューバも高射程なので「速射標準」をもっと活かすなら「ガンフ」の方が良い)。

・おまけ

ナイデル教官

…………。

なにこの人、とんでもキャラやんけ……。補正ありとはいえ、かなり強力ユニットすぎる。

こんだけ強いならケオンごとき瞬殺出来るでしょ……。専用機も何もあったもんじゃねぇ……。ジョーカーキャラな教官なのであった(しかし、最終ステージは巨大機もわんさか出るので色々厳しいことに変わりはないが……)。

おまけ・Lv100 カルグ

これがボーナスポイントを駆使してレベル100にしたカルグのステータス。

かなり強いことは間違いないんだけど、ナイデル教官があまりにもとんでもステータスなのでLv100でもかすみそうという……。

間違いなく船団の未来を担ってるのは教官……。うん、逆らわないほうがいいわね……。